重症心身障害児(者)施設とは、重症心身障害児(者)が入所する施設のことを指します。
重症心身障害児(者)は、身体障害や知的障害、行動障害など複数の障害を併発し、かつ症状が重度の児童および満年齢が18歳以上の方のことです。
症状が重度となる原因には、分娩異常や染色体異常、小頭症やてんかんの後遺症などさまざまなものが挙げられます。
その二次障害として、呼吸や摂食などに障害を持つケースもあるのが実情です。
重症心身障害児(者)施設に入所する方は、食事や排泄などの介助を必要とします。
また、障害による発作や問題行動などを起こす可能性があるため、看護の面でも手厚いケアが欠かせません。
児童福祉法によって設置運営されていますが、教育面はもとより医療面でも大切な役割を果たしており、病院として扱われるのが特徴です。
小さな子どもから成人まで入所している方の年齢層は幅広く、障害の重さや年齢によって必要なケアは異なります。
そのため、病棟ごとに役割が分けられていることも珍しくありません。
例えば日常的に医療ケアが必要な方の病棟、自分で移動できる児童の病棟、グループでの活動を主に行う病棟などです。
そして、それぞれの障害に対応できるよう、多職種の医療従事者が勤務しています。
医師や看護師による医療だけではなく、介護を担うのは介護福祉士です。
そのほか、理学療法士や作業療法士によるリハビリ、児童指導員や保育士による児童療育などが行われています。