重症心身障害は、身体と心の両方に深刻な障害をもたらしている状態で、さまざまな合併症が発生する可能性があります。
そこで看護師には、重症心身障害によく見られる合併症を理解し、適切な管理のポイントを押さえることが求められるでしょう。
まず押さえておくべき合併症としては、呼吸器合併症が挙げられます。
重症心身障害の場合、多くの人にとってはたいしたことがない風邪でも、重篤な肺炎になってしまうリスクがあるのです。
呼吸機能がうまく働かないと、低酸素状態による心不全や喘息の悪化にもつながりかねません。
適切な呼吸管理と定期的な呼吸器ケアが重要になるとともに、異変に気づく観察力が必要となります。
また、重症心身障害の方に比較的多く見られるてんかんは、薬の副作用とのバランスを考慮することが大事です。
消化器疾患も多く見られる合併症の一つで、一般的な症状として便秘があり、筋肉の緊張が強い方は腸閉塞につながることがあります。
逆流性食道炎を併発することも多く、消化器疾患に関連しては低栄養状態も問題となり得るのです。
消化器の問題のほか、自由に身体を動かすことが難しいために運動量が減り、食事量も減るという悪循環が生じます。
経口摂取が困難な方は、特に注意して見守る必要があるでしょう。
これらの合併症は一例であり、そのほかの合併症を患っている場合もあります。
重症心身障害の合併症は個々で異なるため、定期的な健康チェックや適切なアセスメントが合併症の予防や管理に役立つのです。